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ご家庭での視覚的補助の作り方

2022.05.26 | Category: 活動の中から,生活のアイデア

ご家庭での視覚的補助の作り方

自閉症児に言葉の理解を促したり、行動を指示したりするためには、ヴィジュアルな形の情報を提示することが必要であるとされます。これを視覚的補助と呼んだりします。私たちは、視覚的補助というと、絵カードなどの立派なものを考えがちです。
 
しかし、ご家庭での療育で立派な視覚的補助を作ろうとすると非常に労力が取られてしまいます。
ご家庭で視覚的補助を使われる場合には、「時間・労力をとられない」ことを重視し、カジュアルに進められるのが現実的です。
視覚的補助=絵カードという先入観を持っていると、見落としてしまうこともあります。実物もヴィジュアルな情報を与えるものなのです。特に、障害特性が強く現れているお子さんの療育初期の場合、絵が現実物を現しているという理解がまだできていない場合もあり、実物を見せる方が確実です(写真の意味の理解が難しい場合、1回ボードの上に実物を置きその上に透明なラップを付けて標本のような形にすると写真に似て見えるので、対応関係が理解しやすくなる場合があります)。
  
実際の対象、現実的な写真、果物が入れてある袋のラベルや玩具のパッケージから切り取ったラベルを使うのが良いでしょう。対象を子供のルーティンや活動に結びつけられるよう、朝食の前にジャムの瓶を示すなど、「何が起こるのか」と言うことを予想しやすくさせる対象が望ましいです。対象を活動を表象するものとして使うことも出来ます。それによって子供は特定の出来事とその一つの特徴を結びつけることが出来ます。例えば、「ジュース」と言うときに同じコップを持ち出す、等です。そのうち、子供はこれらのものを自分で持ってきて大人に何かしてくれるように頼むかも知れません。
実物が大きすぎて使えないこともありますが、実物のように見える玩具や対象を使うのも良いでしょう。
画像と現実物が対応していることがわかってきた場合でも、立派なものを自作することは多大な時間を要します。
最も簡単な方法は、雑誌あるいはカタログや(物のイラストがついた)バックからカラー写真を取ることが出来ます。多くの自閉症児はカラー写真を喜びます。はさみで必要な部分のみを切り取るか、忙しい時には手で裂いてしまうのが時間がかかりません。
 
写真も視覚的補助として役立ちます。親しんでいる食べ物やものの写真をネットのフリー素材で入手するか、子供にとって重要なものの写真を撮るなどしましょう。それを不必要な情報まで入らないように縮小します。
最近は、スマホやプリンターで、写真から印刷物を作ることが容易になってきています。
療育準備の手作業に時間を取られないようにして、お子さんとかかわる時間を少しでも多くしましょう。

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